長雨にほとほとうんざりした梅雨、
明けては酷暑・厳暑・炎暑に見舞われ、
今年の収穫はどうなるのだろうと天を仰いだ日々でした。
50年農業一筋に生きてこられた大先達に尋ねました。
米作りで人間が関われるのはどのぐらいの割合でしょうか。
しばらく考えてからその方は、
7割は天の思し召しやねと口にされました。
そうなのですね。
気候に左右され、時には害虫・病気・降雨量・気温・日照、
このどれを取っても農業者の力が及ぶ範囲は少ないです。
今年は幸いなことに・・・と月並みですが大きな災害もなく
厳しい夏を乗り切ることができ、秋の収穫では豊作となりました。
有機栽培に挑戦して早8年になります。
漢方薬がそうであるように速効、激変など有機栽培では不可能です。
何をおいても一に土を作ります、翌年も土作りです。
過剰な施肥ではなくて地力を作る、
その地力の栄養と微量要素の成分のうち育ちに
必要な分だけ米に貰って、残ったものはのちの土の力に蓄えてきました。
土に力があれば病気に負けない、病気になりにくい、
昨今のような高温被害にも逞しく育つ稲になる、
それを確信した今年の秋でした。
コシヒカリをここ10年作って来ましたが、
今年は新品種「にじのきらめき」を作りました。
この品種は、草丈が低く台風の被害にも強く倒伏しません。
一本植えた苗から平均40本の株に育ち、
単位面積あたり大増収でした。
5枚の圃場から大きく分けて5種類の米が取れます。
同じ苗を植えても育ち方が違います。まさに土の力です。
今年の食味、まあいっぺん食してみてください。
自画自賛を百も承知で口にしています。
ほんとに美味しく出来上がりました。
先日からトラクターを動かしています。
準備です。文字通り来年の土作りを始めました。
お米屋天 天空のほほえみ舎
中山 廣一