2020年 収穫を終えて

長雨にほとほとうんざりした梅雨、
明けては酷暑・厳暑・炎暑に見舞われ、
今年の収穫はどうなるのだろうと天を仰いだ日々でした。

50年農業一筋に生きてこられた大先達に尋ねました。
米作りで人間が関われるのはどのぐらいの割合でしょうか。
しばらく考えてからその方は、
7割は天の思し召しやねと口にされました。
そうなのですね。
気候に左右され、時には害虫・病気・降雨量・気温・日照、
このどれを取っても農業者の力が及ぶ範囲は少ないです。
今年は幸いなことに・・・と月並みですが大きな災害もなく
厳しい夏を乗り切ることができ、秋の収穫では豊作となりました。

有機栽培に挑戦して早8年になります。
漢方薬がそうであるように速効、激変など有機栽培では不可能です。
何をおいても一に土を作ります、翌年も土作りです。
過剰な施肥ではなくて地力を作る、
その地力の栄養と微量要素の成分のうち育ちに
必要な分だけ米に貰って、残ったものはのちの土の力に蓄えてきました。
土に力があれば病気に負けない、病気になりにくい、
昨今のような高温被害にも逞しく育つ稲になる、
それを確信した今年の秋でした。

コシヒカリをここ10年作って来ましたが、
今年は新品種「にじのきらめき」を作りました。
この品種は、草丈が低く台風の被害にも強く倒伏しません。
一本植えた苗から平均40本の株に育ち、
単位面積あたり大増収でした。
5枚の圃場から大きく分けて5種類の米が取れます。
同じ苗を植えても育ち方が違います。まさに土の力です。

今年の食味、まあいっぺん食してみてください。
自画自賛を百も承知で口にしています。
ほんとに美味しく出来上がりました。

先日からトラクターを動かしています。
準備です。文字通り来年の土作りを始めました。

お米屋天 天空のほほえみ舎
中山 廣一