土ができました

秋の収穫の後の田には、細かく刻んだ稲わら、籾がら(籾の皮)、米ぬか、有機肥料の代表格の発酵堆肥を撒いて、そこに乳酸菌(ラクトバチルス)を入れました。
昨年の秋に第一回目の田を耕して、砕かれた土は寒い冬を越しました。
乳酸菌は寒い期間は動きも弱くて時には冬眠をして、暖かくなった頃から発酵が強くなり有機物を分解してくれます。
「土ごと発酵栽培」と命名して今年で4年目の作業です。
3月末から4月の初めに2度目の耕しをして、そして先日3回目の耕しをしました。
乳酸菌を入れると土が変わると教えを受けましたが、はたしてどうなるのか毎年毎年その変化を楽しみにしてきましたが、特に今年の春には感動しました。
例年になく土が柔らかく、且つ、撒いてあった有機物が皆目見当たりません。特にもみがらは非常に固くて、遺跡から見つかった物の中にもみがらがそのままで見つかったくらいです。
そのもみがらもなくなり、去年の切り株も見当たらず、有機物はほぼ分解されていました。
ふわふわの土は、色が濃くなって黒に近く、耕した上を歩くとまるで布団のようでした。
地面続きにお隣さんの田があって、そこも耕してあげると比べるものがあってよく分かりました。土の変わりようが肉眼ではっきりと確かめられたのです。
21世紀は発酵食品の時代と言われます。
土が変われば当然根の張りも良く、酸素の供給も多く、しかも発酵作用は土中で有害なガスを発生させません。
土作りが根を育て、根は太く長くなり、微量要素をたくさんもらって、今年の秋には一段と甘みと粘りのある「天空のほほえみ」が誕生します。
5月の10日から田植えをします。