植物にも耳がある

「植物にも耳がある」お聞きになったことはお有りでしょうか。
つくば大学附属小学校の先生が、朝顔を育てる時に実験をされました。
二つのプランターに同条件で種蒔きをして、その後の世話に二つの方法をされました。
一つは出た芽に話し掛ける、もう一方には黙って世話をする。
話し掛ける時には、いつも次の言葉を話されました。「きれいな花を咲かせてね。」、「世界で一番美しい朝顔さんへ。」
水を与える、肥料を置く、つるを巻き付ける手を用意する、いつもいつも喋り掛けて育てられました。
気の毒にもう一方の鉢には無言でした。
この先生、どこかで植物にも言葉が届くことを耳にされたのを確かめたくて、あえて二つの方法を試されました。
そしてその経過を丁寧に記録されたところ、成長に歴然と差ができたのです。
蔓の伸び、葉の数、色、勢い、一つ一つ別の種類ではないかと思われるほど成長に差が出たのです。
そして開花の時を迎えました。
花の色、数、大きさ、ここでも差が出たのです。
この実験は三年、三回挑戦されました。その三回とも同じ結果が出たのでした。私はこの実験を研究冊子で拝見した頃に、時を同じくして米づくりの名人に出会いました。
全国米食味コンクールで連続金賞を受賞され、とうとうダイヤモンド賞の栄冠を手にされた山形県の石井さんです。NHKのプロフェッショナルで放映され、全国的に有名になられた方です。
この石井さん、田を見て回る時にいつも話し掛けておられるのです。
稲に言葉が届く、愛情の証に話し掛けられて育てられました。
私には衝撃でした。と、同時に朝顔の実験と重なって、植物に特に稲にも言葉が届くと確信したのです。
始めるのはいつがいいのか、テレビで見て、国際大会の会場群馬県の川場村で御本人にお会いして、話し掛けることがいかに稲の成長に影響しているかを直接お聞きして、私もその方法に学ぶことにしました。
実際に取り組んだのは次の年からです。
大きな声ではちょっと恥ずかしくて、稲に向かってどうか届いておくれと話し掛けました。
「しっかり育っておくれ。」「秋には立派に稲穂を付けておくれ。」「美味しい秋の実りを待っているからね。」
さて、その結果はどうだったでしょう。
話し掛けなかった稲と比べることはできませんでしたが、言葉は伝わったのだと信じています。
天の恵み、地の利、風や雨、何よりも有り難い日光の抱擁、そして私の声援、いくつもの条件が重なって稲はたわわに実りました。
その年以来、私は話し掛けることを続けています。
稲の返事は、美味しい食味でしっかりと返って来ました。
このページを目にしてくださった方々、どうか一度、新米「天空のほほえみ」を御賞味ください。
きっとご満足いただけると確信しております。